COLUMN歯磨きのコツとプラークコントロール



プラークとは歯垢とも呼ばれ、食べかすのことではありません。歯の表面に付着する細菌の塊で、食べカスや唾液中の成分と混ざり合って形成されます。放置すると虫歯や歯周病の原因となります。

プラークコントロールとは?

プラークコントロールとは、虫歯や歯周病の原因となる「プラーク(歯垢)」を取り除き、口内環境を健康に保つためのケアのことを指します。

  • 歯ブラシによる歯磨き
  • デンタルフロスや糸ようじによる歯磨き
  • 歯間ブラシによる歯磨き
  • マウスウォッシュによるうがい
  • 砂糖摂取の制限
  • 歯科医院で行うPMTC ( 機械的歯面清掃 )

歯磨きのコツ- 歯ブラシの当て方

歯磨きは虫歯・歯周病予防の基本ですが、間違った磨き方では十分な効果が得られません。以下のポイントを意識して、正しい方法で歯を磨きましょう。

歯の外側をブラッシングする場合は、歯に対して直角 ( 90度 ) に歯ブラシをあてましょう。

歯の内側をブラッシングする場合は、歯に対して45度位の角度で当てましょう。

前歯の内側をブラッシングする場合は、左の写真のように歯ブラシを当てているつもりでも実際に歯ブラシは前歯の内側に当たっていません。

ブラシのかかと ( 歯ブラシの毛の一番手に近い部分 ) や、つま先 ( 毛の一番手から遠い部分 ) と呼ばれているところで磨くといいでしょう。


[ポイント]
  • 磨いた後は鏡で歯垢が落ちたかチェックしましょう
  • つめで歯を引っかいて白いのりのようなものが付いたらまだ歯垢は落ちていません
  • 歯ブラシは小刻みに10mm以下の幅で動かしましょう。ゴシゴシではなくシュッシュッという感じです。
  • 上の奥歯の外側を磨く時だけは口を閉じましょう。口を大きく開けると歯ブラシが手前に押し出され一番奥歯の外側に歯ブラシが当たらない時があります

歯磨きの時間

1回の時間は最低3分は必要と思われます。
日本人の歯磨き時間は平均20秒というデータもある位ですから3分という時間が、いかに長いか1度ストップウオッチか砂時計で測ってみてはいかがでしょうか。
歯磨きの最初から歯磨き粉をつけると、泡ですぐにうがいをしてしまうので最初は水で歯ブラシをぬらしただけで歯を磨くことをお勧めします。

歯磨きの回数

食時の後、最低でも1日2回は磨きましょう。
特に夕食後の歯磨きは一番時間をかけて丁寧にして下さい。就寝前にマウスウォッシュ等で口内を潤すのも口臭、殺菌予防に効果的です
たとえ1日5回磨いていても1回1回の時間が短ければ歯垢は落ちません。回数よりも1日に1回はていねいに歯磨きすることを心がけて下さい。

歯ブラシのいろいろ

ヘッド ( 歯ブラシの毛がはえている所 ) は小さめがいいでしょう。
歯ブラシの柄はストレートで毛の硬さは普通か、やや硬めがいいでしょう。
歯ブラシの毛はナイロン製 ( 動物の毛は柔らかすぎても不可 ) がいいでしょう。

歯間ブラシ/フロス

歯と歯の間、歯の付け根の歯周ポケットには歯間ブラシやデンタルフロス、糸ようじを使いましょう。
プラークにより炎症を起こしていると出血が見られる場合がありますが、改善すると出血が収まり、歯茎も引き締められます。


電動歯ブラシ

電動歯ブラシは、もともとはお年寄りや手が不自由でうまく歯ブラシが使えない人のために考案されました。
普通の歯ブラシと比べて、とりたてて歯垢がよく落ちるということはありません。

あくまでも歯ブラシの1種類と考えて下さい。健常者の人 ( 手が普通に使える人 ) であれば、普通の歯ブラシで上手に磨けない人が電動歯ブラシを使ったからと言って上手に磨けるわけではありません。

大事なのは 「 歯ブラシ 」 や 「 歯磨き粉 」 といった 「 ハード 」 ではなく、 「 歯ブラシを正確な角度で歯にあててるか 」 とか 「寝る前に丁寧に時間をかけて磨いているか」 とか 「 鏡を見ながら磨いているか 」 などの 「 ソフト 」なのです。