歯磨きのコツとプラークコントロール-健康な歯になろう!

プラークとはデンタルプラークとも、歯垢 [ しこう ] とも呼ばれ、食べかすのことではありません。細菌の塊のことです。しかも、プラーク1g中には1~3兆個の細菌が含まれています。
このプラークがむし歯や歯周病の原因になります。 プラークコントロールとは、このプラークを取り除くためのことを広くいいます。

プラークコントロールとは?

  • 歯ブラシによる歯磨き
  • デンタルフロスや糸ようじによる歯磨き
  • 歯間ブラシによる歯磨き
  • リステリンなどによる、ぶくぶくうがい
  • 砂糖摂取の制限
  • 歯科医院で行うPMTC ( 機械的歯面清掃 )
などがあげられます。

歯磨きのコツ

<歯ブラシの当て方 >

歯の外側をブラッシングする場合は、歯に対して直角 ( 90度 ) に歯ブラシをあてましょう。

歯の内側をブラッシングする場合は、歯に対して45度位の角度で当てましょう。

前歯の内側をブラッシングする場合は、左の写真のように歯ブラシを当てているつもりでも実際に歯ブラシは前歯の内側に当たっていません。

ブラシのかかと ( 歯ブラシの毛の一番手に近い部分 ) や、つま先 ( 毛の一番手から遠い部分 ) と呼ばれているところで磨くといいでしょう。


注意点

できれば磨いている最中、特に磨いた後は鏡で歯垢が落ちたかチェックしましょう。
つめで歯を引っかいて白いのりのようなものが付いてきたらまだ歯垢は落ちていません。
歯ブラシは小刻みに10mm以下の巾で動かしましょう。イメージとしてはゴシゴシではなくシュッシュッという感じです。
上の奥歯の外側を磨く時だけは口を閉じましょう。口を大きく開けると歯ブラシが手前に押し出され一番奥歯の外側に歯ブラシが当たらない時があります。注意しましょう。

歯磨きの時間と回数

(1) 時間

1回の時間は最低3分は必要と思われます。
日本人の歯磨き時間は平均20秒というデータもある位ですから3分という時間が、いかに長いか1度ストップウオッチか砂時計で測ってみてはいかがでしょうか。
歯磨きの最初から歯磨き粉をつけると、泡ですぐにうがいをしてしまうので最初は水で歯ブラシをぬらしただけで歯を磨くことをお勧めします。

(2) 回数

1日2回は少なくても磨きましょう。
特に寝る前の歯磨きは一番時間をかけて丁寧にして下さい。
あと朝は生理的口臭 ( 誰にでもある口臭のこと ) が一番強いのでエチケットとしても磨いたほうがいいと思います。
たとえ1日5回磨いていても1回1回の時間が短ければ歯垢は落ちません。回数よりも1日に1回はていねいに歯磨きすることを心がけて下さい。

歯ブラシのいろいろ

ヘッド ( 歯ブラシの毛がはえている所 ) は小さめがいいでしょう。
歯ブラシの柄はストレートで毛の硬さは普通か、やや硬めがいいでしょう。
歯ブラシの毛はナイロン製 ( 動物の毛は柔らかすぎても不可 ) がいいでしょう。

歯間ブラシ

40歳以上の方は、歯と歯の間のプラークコントロールには、デンタルフロスや糸ようじではなく 「 歯間ブラシ 」 を使いましょう。
歯周病の原因となる歯と歯の間のプラーク ( 特に歯ぐきに近い場所のプラーク ) はデンタルフロスや糸ようじで取るのは難しいのです。食べかすもプラークも取れて一石二鳥です。


電動歯ブラシ

電動歯ブラシは、もともとはお年寄りや手が不自由でうまく歯ブラシが使えない人のために考案されました。
普通の歯ブラシと比べて、とりたてて歯垢がよく落ちるということはありません。

あくまでも歯ブラシの1種類と考えて下さい。健常者の人 ( 手が普通に使える人 ) であれば、普通の歯ブラシで上手に磨けない人が電動歯ブラシを使ったからと言って上手に磨けるわけではありません。

大事なのは 「 歯ブラシ 」 や 「 歯磨き粉 」 といった 「 ハード 」 ではなく、 「 歯ブラシを正確な角度で歯にあててるか 」 とか 「寝る前に丁寧に時間をかけて磨いているか」 とか 「 鏡を見ながら磨いているか 」 などの 「 ソフト 」なのです。

歯磨き粉

<ハミガキ粉の量>
ハミガキ粉を歯ブラシにつける量は『米粒大』が適当です。

<大切なのは磨き方>
虫歯や歯周病を防ぐためには、歯の汚れを『磨いて落とす』ことが一番大切です。歯磨き粉の薬剤効果に頼りすぎて、歯磨きがおろそかになってしまうと、配合された薬用成分の効果は期待できないので、しっかりブラッシングしましょう!