COLUMNむし歯について

むし歯はカゼに次いでかかりやすい病気です。しかも、一度失った歯は取り戻すことができない怖い病気でもあります。
そのため『むし歯になってから治療する』のではなく、『むし歯にならないように定期的に歯をチェックする』という予防中心の診療を定期的に受けることが、大切な歯を守るためには重要です。

むし歯の段階

むし歯は、『比較的治療が簡単な初期(C1)』から、『抜歯が必要になるまで進行した状態(C4)』まで様々な段階に分かれます。特に、歯の神経を残せるかどうかが、治療法の分かれ目です。



歯の神経を抜くリスク

歯の神経は、感覚伝達だけでなく歯に必要な栄養や酸素を供給し、歯そのものの健康維持や修復、発育をになっています。歯の神経を抜く(根管治療)ことは、適切な処置がなされれば多くの場合問題なく機能しますが、以下のような弊害やリスクも考えられます。

■歯の脆弱化
神経や内部の組織がなくなることで、歯の水分量が低下し、結果として歯自体が乾燥・脆くなり、割れやすくなる可能性があります。

■歯の変色
治療で使用する充填材や、内部の組織の変化により、歯が黄ばみや変色を起こすことがあります。

■感覚の低下
神経が失われるため、温度や痛みに対する感覚が鈍くなり、異常が早期に感じ取りにくくなることがあります。

■再感染のリスク
根管内の消毒が不十分だった場合、細菌が残留して再感染(根尖周囲炎など)を引き起こす可能性があります。

大切な歯を生涯守るために、歯や口内環境が気になってから治療するのではなく、予防の観点で日頃のケアが大切になってきます。

フッ素ってなに?

歯科治療で用いられるフッ素は、虫歯予防やエナメル質の強化を目的として利用されています。元素としてのフッ素は猛毒とされることもありますが、実際にはすぐに化合物であるフッ化物に変化するため、単体で存在することはほとんどありません。虫歯予防に使われるフッ素は、フッ化物の一種であるフッ化ナトリウムであり、濃度を1%以下に調整したものが薬剤として用いられています。

フッ素塗布

フッ素塗布は、多くの歯科医院でご希望に応じて施術してもらえます。歯の表面にフッ素の薄膜が形成されることで、エナメル質が強化され、酸によるダメージから歯を保護し、虫歯の発生リスクを低減させます。

ある程度成長した永久歯の場合は歯の表面がしっかりしているのでフッ素塗布をする必要はあまりないですが、子供の歯はやわらかくむし歯になりやすいのでフッ素塗布がむし歯予防に大きく役立ちます。

一回フッ素塗布をしたらおしまいではなく、数カ月おきに何度も繰り返しフッ素塗布をすることによってむし歯予防の効果も高まると言われています。